湾岸箋

一生オタク。

「それぞれの星たち」と「紡いだ星座」

ブログではお久しぶりです。

いよいよ、CUE! 2nd Party「Sing about everything」が明日に迫ってまいりました。

3か月半前、4月30日にCUE!のゲームがサービス停止してから、アルバムで新規曲の追加があったとはいえ、コンテンツを享受する手段が楽曲を聴くか、ラジオ「超!CUE!&A」を聴くの2つにほぼ絞られてしまっていました。そんな中、生楽曲披露に加えて、久々にキャラクターやストーリーの直接的な供給があるSing about everythingは、本当に楽しみで待ち遠しいです。

今回は、Sing about everythingを迎える前に、自分がCUE!というコンテンツに触れるきっかけから、このコンテンツの個人的に感じる魅力について、一区切りとして書いていきます。あまりCUE!のことを知らない私のフォロワーから見ると、「こいついきなりCUE!にハマったけど、何が起こったんだ…?」と数か月前に思われていてもおかしくないと思っているので、この記事を読んでその経緯を知ってもらい、同時にこのコンテンツに少しでも魅力を感じてもらえると嬉しいなと思っています。

それでは、記事本編の方に入っていきます。

CUE!との出会い

私がCUE!というコンテンツに触れるきっかけとして、最も源流をたどるのであれば、それは安齋由香里さん(の顔)になります。安齋由香里さん(の顔)に興味を持って、「超!CUE!&A」火曜日を聴くことがなければちゃんとCUE!に興味を持つことはなかったと思います(ちなみにこの記事の前半はまさに「超!CUE!&A」火曜日を聴きながら書いています)。本当に安齋由香里さん(の顔)には感謝しているので、次安齋由香里さんとお話する機会があればちゃんと「安齋由香里さんの顔のおかげで、CUE!という素晴らしいコンテンツに出会うことができました、ありがとうございます」とお礼を言いたいと思っています。前回お話する機会では「顔が好きである」ということしか伝えられなかったので。

話が脱線しましたが、そこからラジオ内で流れたCUE!の楽曲を聴き、自分でSpotifyでコンテンツの全楽曲を漁りハマって行ったことを覚えています。

そして、ちょうどやってるソーシャルゲームがなかったこともあり(私は同時に1つまでしかソーシャルゲームをできません)、2月6日にアプリゲームのCUE!を始めました。

はじめてすぐ、「声優にとって大事な可愛いは顔のことじゃない」やら「女優は優れた女じゃなきゃダメ。声優はさらに、声が優れなきゃダメ」などと、声優を追うキモオタクとしては反応せざるを得ないセリフがバンバン出てきて面白かったです。

ゲームのシステムについて踏み込むと、リズムゲームが主体となっている近年の美少女系のアプリゲームの中で、CUE!はリズムゲーム要素はなく、基本的に引いた声優のカードを育てて、配役やコンボを考えながら収録というポイントを稼ぐモードをプレイしていく、いわゆるポチポチゲーでした。

声優のカードを育てるのにはレッスンという周回作業をこなすことになります。リリース当時はこの周回作業を行っている間はずっとアプリを起動している必要があったらしいのですが、私が始めた時点ではオートレッスン機能があったので、たまにアプリを起動するだけでゲームを進めることができました。また、レッスンの演出の中で明らかにパチンコを意識させるものがあり、脳みそが疲れ切っている時にぼーっと眺めていると不思議と気分が良くなるものでした。

また、いつ実装されたのかは分からないのですが、私が始めた頃には既にオーディションという新しいモードが実装されていました。このモードは、いわゆるパワプロシャニマス的な育成モードで、一人の声優(キャラ)がオーディションを受けるまでのレッスンの指示をしながら、他のキャラとの交流を楽しむモードでした。ゲームを始めたての頃は、このオーディションモードが各キャラの人となりを知っていくのに素晴らしかったです。また、シャニマスのTrue Endのようなクリア条件(Sランククリア)があり、この条件でクリアすると特別なストーリーを読むことができ、サービス終了直前にはできるだけ多くのSランククリアを開放することに躍起になっていました。

 このように、いわゆるポチポチゲー要素と育成ゲー要素を併せ持っていたCUE!は、リズムゲームをプレイするのがしんどくなってきたうえに、シャニマスにも飽きていた自分にとって、ちょうどやりやすいゲームでした。ただし、CUE!の最大の魅力はそのゲーム性よりも、非常に力の入ったストーリー群であると言えるでしょう。

CUE!のストーリーは、レッスンを進めてレベルを上げていくことで開放できるメインストーリーと、キャラのカードをガチャで引いて親愛度を上げることで開放できるキャラエピソード、そしてイベントを進めることで開放できるイベントストーリーの3つが主になっています(一応レッスントークとリンクストーリーという短いのもあります)。今回は、特にメインエピソードに注目して、このゲームのストーリーについて自分の感じるところを語っていきたいと思います。

それぞれの夢と繋ぐ絆

まずCUE!の設定について知らない人のために説明すると、CUE!には16人の声優のタマゴがキャラクターとして登場し、この16人はAiRBLUEという同じ事務所に所属しています。そして、16人は4人ずつの4グループ(Flower, Bird, Wind, Moon)に分けられ、各グループとして売り出されていきます。また、メインエピソードの最序盤で16人は一つ屋根の下、同じ寮に住むことになります。序盤の4つのストーリーで各グループを掘り下げ、それぞれが最初のアニメ出演に至るまでの軌跡を描いています。各グループのストーリーがひと段落すると、そこからリリースされた『beautiful tomorrow』、『カレイドスコープ』、『最高の魔法』の各楽曲の名前を冠したストーリーが展開されていきます。


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CUE!がアイマスラブライブ!ナナシス等の二次元アイドルコンテンツと異なるのは、あくまで登場するキャラクターは「声優である」ということで、CUE!は彼女たちが「声優である」ことをとても大事にして展開されています。声優という職業は、基本的に孤独であると僕は思います。あるオーディションを受けるとして、それに合格できる人数は多くても数人。声優として売れるには、自分が選ばれるような自分にしかない表現・魅力を身に付ける必要があり、それを磨くことは孤独な過程になるでしょう。また、声優という職業に就くにあたってのスタンス・目標・夢も個々人で異なるため、全員で同じ未来を夢見るということにもなりません。実際に、高校生のキャラクター2人が「声優という職に就くにあたって、大学に進んでちゃんとした教育を受ける必要性」に対する意見の相違で喧嘩する、というような描写もあります。

CUE!はストーリーの最序盤こそ、各グループごとに練習を重ねていき、その結果グループ4人全員が同じアニメのオーディションに合格するという、割と都合の良い話になっています。しかし、シングル表題曲のストーリーに進んでいくにつれ、各々のキャラクターがそれぞれで仕事を取るようになりはじめ、差がつくようになります。そして、『カレイドスコープ』ではついにAiRBLUEの事務所内部で同じパイを争う展開になります。


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上の予告映像でも流れる「お前が夢を語らなくなったら、その時はもうライバルなんかじゃないからな」「舞花の次の数と、あたしの次の数。多分、違うんだよね」と言ったセリフからも読み取れますが、このストーリーは終わり方を含めて綺麗事がなく、私含めてこのストーリーでこのコンテンツにさらに深くハマるようになった人は多いのではないかと思います。また、CUE! 1st Anniversary Party「See you everyday」においても、先ほどの予告映像で使われたセリフが演出として大事に使われており、製作陣のこのストーリーへの想いが強く感じられます。

一方で、各キャラクター間の繋がりや絆に関しても非常に豊富に説得力をもって描かれています。これらの表現がちゃんとした説得力を持てている要因は何なのかを考えます。まずは、全員が同じ事務所に所属していることが挙げられますが、現実において同じ事務所に所属しているというだけで全ての声優さんが仲良くなるということには全くなりません、せいぜい良い友達になる可能性がある、くらいでしょう。2つ目として、(4人ずつは)グループとしての活動をしているということもありますが、これも現実でグループ活動をしている声優やアイドルを思い浮かべても、あまり当てはまらないのではと思います。設定上、CUE!のキャラクター達が一緒に活動をしている時間はせいぜい1年程度なので、この期間でグループ活動だけで絆を深める、というのは説得力を持たせにくいと思います。

ではどこがポイントなのかと言いますと、「16人が一つ屋根の下、同じ寮に住んでいる」という点ではないかと思います。実際、ストーリー内では寮での会話描写がとても多く、仕事のみならず私生活も共に過ごすことによって、絆を結んでいく描写はとても素晴らしいです。また、4人ずつのグループを超えたコミュニケーションも、全員が同じ寮に住んでいることによってすんなりと受け入れることができます。実際に、各シングル表題曲のストーリーは4つのグループから1人ずつが中心的人物として選ばれており、このメンバーが楽曲の落ちサビを歌うという構成になっています。絆に説得力を持たせるために声優が寮生活をしているという設定に至るのは、非常に面白いです。

以上より、CUE!のストーリーのバックボーンとして、「声優という個々人でしか描けない夢」「同じ屋根の下で暮らしながら育んだ絆」という2つを特に大きく私は感じています。

楽曲との繋がり

この2つのテーマは、CUE!全体楽曲の歌詞にも散りばめられています。以下、何曲かピックアップして個人的に好きなポイントを紹介していきたいと思います。

Forever Friends

 一人じゃ生きてゆけない僕らは

それぞれの道 歩きながら

ねえいつだって 違う場所で

思い出して笑っていて

まず、最初のシングルの表題曲『Forever Friends』の1サビから見ていきます。私はCUE!のゲームを始める前、まだキャラクターやストーリーのことを知る前にこの楽曲の特にこの1サビ部分を聴いた時、少し違和感を感じました。というのも、「それぞれの道」「違う場所で」と、「一人」であることをとても強調するように感じたためです。この違和感は、私が最初は「二次元アイドルコンテンツ」としてこの楽曲に触れたため生じたと思っていて、先ほど述べた「個々人の道・夢」と「16人の絆」という観点に照らし合わせると答え合わせができます。

私たちはまだその春を知らない

笑って笑って 大切なものはあるかい

歌って 風に舞う花びらのように

いつか一人一人になる時に

どんな色が(ねぇ)見えるのだろう

君が空に 聞いた 

走って走って この空の隙間に

歌って 飛び立つ鳥たちのように

いつか一人一人になる時に

どんな月を(ねぇ)見上げるとしても

いつも心 繋いで

続いて、2ndシングルのc/w『私たちはまだその春を知らない』のサビです。この楽曲は最初から最後まで、一人一人の道に進んだ未来の視点から見た(ストーリーで現在進行で進んでいる)今のかけがえのなさを歌っています。1サビと2サビの歌詞で花鳥風月がそれぞれ含まれているのがとても好きです。

マイサスティナー

ここに立つボクら 選んだのはそうボクら

奮い立てよ Believe in Mine

かけがえない絆を伏せたら(伏せたら ah)

前を向けよ キミは

もう飛んでいけるんだ(もっと高く)

どこへ向かうボクら 待つのはとうに慣れた

狂い咲けよ Free your Mind

躊躇わない 夢すら踏みしめて(夢すら ah)

前を向けよ キミは

もう走り出した(どこより高く)

3曲目は、アルバム『Talk about everything』に収録されている『マイサスティナー』です。この楽曲は自分の夢へ次を踏み出す意志を強く感じさせます。その中でもサビではなく、Bメロの部分を抽出しました。1Bと2Bのそれぞれで「絆」と「夢」が出てきますが、それぞれ「絆を伏せたら」「夢を踏みしめて」という、なかなか出てこない単語の組み合わせとして現れます。大事な絆や夢を抱えながらも、いったん目の前の一歩を進むために覚悟を決める、というようなニュアンスという風に取れて、私はこの2つの表現がとても好きです。

カレイドスコープ

 10年後の君は今何を見てるの

 この空の下で きっと思い出して

それぞれの星たちを一つ一つ繋いでいた

君と描いてた カレイドスコープの空

紡いだ星座は消えない

CUE!で最も好きな楽曲の一つです。サビ部分の歌詞だけではなく、楽曲全体として個々の夢とそれを繋ぐ絆について歌っています。この楽曲で出てくる「星座」は、人と人を繋げるという意味と、刻と刻を繋げるという2つの意味を持っていることも、素晴らしいです。

まとめ

このように、CUE!というコンテンツは声優という職業を題材として、「それぞれの星たち」と「紡いだ星座」を、ゲームのストーリーや楽曲の詞を通じてとても丁寧に描いているコンテンツだと私は考えています。明日の「Sing about everything」において、自分にとって初めてのCUE!の生歌唱や生朗読を体験できると思うと、本当に楽しみで仕方がありません。今回はこの「Sing about everything」を体験する前と後では、またコンテンツに対して感じる考えや想いが変わると思い、このタイミングで筆を執らさせていただきました。ここまでお読みいただきありがとうございました。

 

早くゲーム帰ってきてほしいしアニメ化の話も進んでほしいな……。

 

 

※引用されているツイート内にて用いたゲームの画像は全てLiber Entertainment Inc.の著作物です。